炭酸ガスアーク溶接用フラックス入りワイヤ

当社は、昭和22年の創業以来長年にわたり築き上げてきた被覆アーク溶接棒の開発及び生産技術と、新たに採り入れた最新技術をもって、優れた溶接作業性、継手性能を有するフラックス入りワイヤを開発致しました。

TAS-10

TAS-10は、チタニアを主体とするフラックスを使用した低水素タイプの全姿勢溶接用フラックス入りワイヤで、造船、橋梁、建築を始めとして多業種で広く使用することができます。

特長

1) 溶着速度が早く高能率
TAS-10は溶着効率が約90%と高く、作業効率アップが図れます。

2) 広い電流域での溶接が可能

3) 全姿勢での溶接が可能
適正電流域が広く、下向・横向だけでなく立向上進・下進および上向溶接においても良好な作業性が得られます。

4) スパッタ(飛散物)が少ない
ソフトで安定したアークにより、スパッタの発生が少ないのが特徴です。スパッタ除去に掛かる時間と負担が軽減できます。

5) きれいなビード(溶接表面)
スラグを簡単にそしてきれいに剥がせます。後工程に掛かる作業時間を大幅に短縮できます。

MZ-10

MZ-10は、プライマー塗布鋼板の溶接での耐気孔性(耐ピット、耐ガス溝)が極めて優れた下向および水平すみ肉溶接用メタル系ワイヤです。

特長

1) プライマー塗布鋼板の溶接での耐気孔性が良好

2) 溶着速度が大きい
メタル系ワイヤは鉄粉等の金属粉を充填フラックス中に含有し、高い溶着金属率を誇っています。

3) 溶接後処理の短縮
アークが安定しており、溶滴移行が良好であるため、スパッタ発生量が少ないのが特徴です。また揃った光沢のあるビードが得られることから水平すみ肉溶接の自動化及び高能率化に適しています。

MZ-490H

MZ-490Hは、横向き及び水平すみ肉溶接に特化した専用フラックス入りワイヤとして開発しました。

横向溶接継手における特長

1) 高溶着な性能を有しており、横向溶接におけるパス数低減が可能。
従来のスラグ系ワイヤに比べ、30%以上のパス数削減が可能です。

2) メタルが垂れにくく、良好なビード形状、外観が得られる。

水平すみ肉溶接継手における特長

1) 1パス水平すみ肉溶接にて、最大9㎜までの脚長が可能。
従来のスラグ系ワイヤを使用した2パス施工に比べ、約30%のアークタイム削減効果があります。

TAS-10 V type

TAS-10 V typeは、従来のTAS-10より更に立向上進の溶接作業性を改善しました。

特長

1) メタルが垂れることなく、フラットで良好なビード外観が得られる。

2) 溶接台車との組合せで、高品質・高能率の溶接が実現できる。

3) アークがソフトでスパッタ発生量が少なく、また全姿勢での溶接作業性も良好。

品名 溶着金属化学成分一例(%) 降伏点 引張強さ 伸び 衝撃値
C Si Mn P S MPa MPa (%) 温度
J
TAS-10 0.06 0.53 1.28 0.017 0.013 561 609 27 0 134
MZ-10 0.05 0.47 1.47 0.013 0.011 450 550 32 0 91
MZ-490H 0.04 0.47 1.92 0.012 0.012 461 542 25 0 88
TAS-10 V type 0.05 0.50 1.41 0.017 0.018 566 615 26 0 108

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